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英語多読に思うところ【6万語】

はじめに

最近また英語学習が再熱した。

 

私の英語力は「日本人にしてはうまいね」レベルである。海外旅行に出てとりあえず道を聞いたり、トイレの場所を聞いたりするぐらいはできるし、カフェで隣の人と話すくらいには困らないが、専門書を読んだり、いきなり大人数の前でスピーチは出来ない。英検準1級は取得しているが英検1級には程遠いという程度だ。

英語多読のきっかけ

英語熱が再熱した理由はスペイン語学習を始めて、日本語で得られるスペイン語の情報量と英語で得られるそれを比較して、後者が圧倒的多いことに気が付いたからだ。当たり前だが、スペイン語ができる人は往々にして英語ができるのだ。

6万語段階での所感

タイトルにある通り、最近の英語学習の方法は所謂「英語多読」というやつである。目的は英語を英語のまま理解することにストレスを感じなくなるためである。まずは簡単な絵本からはじめ…といった一通りの方法論を学び始めてみた。今は大体6万語まで読んだ。以下、現段階の所感を述べる。

受験英語からの脱出

当面の目標である100万語には程遠いが、受験英語で習う英語学習からは脱することが出来たと思う。具体的に言えば、今までの私にとって英語学習は下記以上でも以下でもなかった。

  • Vocabulary】単語帳で機械的に単語をぶち込む。根性論で毎日音声を聞いて音読してみていればそれなりに覚えられる。
  • Reading&Listening】良質な英語教材を買い、知らない単語を調べて、文法構造を解釈した後に音読、暗唱、シャドーイング、ディクテーション。通勤時間や散歩中に音声を聞いてブツブツ言う。
  • Speaking】オンライン英会話で話したり、言語交換アプリで話したりする。
  • Writing】よくあるテーマで英作文をして英作文添削サービスで添削してもらい暗記する。よく出来たやつはオンライン英会話で話してみる。

 

逆に言えばここまでやれば英検1級は余裕だし、海外旅行で困ることは無いと思う。ただ、自然な英語ではない。日本語学習者が使用する教材通り日本人が日本語を話さないように、英語話者は教材通りに会話しない。いつまでたっても自然な英会話ではないし、洋画は分からないし、英語の本は読めない。

 

英語多読を初めて、上記の受験英語からは脱せたと感じる。英検1級をとるにしても、TOEFLでよい点を目指すにしても圧倒的に読む量が少ないと話にならないが、上記のことを毎回やっていたのでは時間がいくらあっても足りない。自分が読めて理解できるレベルの英語を大量に読むことで、まずは英語に慣れ、返り読みをしなくなり、一々文法を読み解かなくても済むようになった。

言語学的な面白さ

英語多読の本ではないが、赤ちゃんがいかに言語を習得するかという本を読んでいて気づきを得た。赤ちゃんは動詞や名詞がどの文脈で使用するのかを最初は理解しない。例えば「飲む」という動詞が水を飲むことにも、ミルクを飲むことにも使うかは最初は知らない。実際に使ってみて間違って周りの人間にXXの文脈で使用すると教えられて段々と「飲む」という動詞の適用範囲を知るのである。

 

英語多読では、同じような効果がある。英語学習者は大人であるため、一々言葉の適用範囲を教えてくれる環境はないが、英語多読をすることで「この動詞はこの文脈で使用するが、この文脈では使用しない」ことが本に教えられるのである。私の大学の専門は言語学でも何でもないが、非常に興味深いと思った。

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③子供時代に読んだ本を原書で読むことの感動

私は子供時代、ダイアナ・ウィン・ジョーンズダレン・シャンアモス・ダラゴン、タラ・ダンガン、ロナルド・ダールといった洋書の(もちろん)日本語版が大好きだった。ずっと読んでいた。恐らく日本語で書かれた児童作品よりも元は英語のものが多いように思う。

 

英語多読は正に自分が理解できる英語で読むことが鉄則であるため、必然的に児童書を手にとることになる。もし私が今日本語で前述の本を読んでいたら物足りなさを感じていたかもしれないし、「もう読んだよ」という気持ちになっていたと思う。しかし、英語で読むことで、まず「英語で原書を読んでる私かっこいい」という気分になれるので最高である。感動である。

 

また、一度読んだことがある作品たちなのでうっすらストーリー展開を覚えているので、ぶっとんだ設定のファンタジーが英語で書かれていてもついていけるという利点がある。

次のステップに進む前の疑問

これは次10万語を目指すにあたり私の疑問であるが、英語で本を大量に読むだけでは英語で英語を理解することはできないように思う。一定の精読は必要であるし、難しい単語であればどこかで日本語訳を知っておいた方が無難だと思う。「思う」が多いのはいかんせん6万語しか読んでいないからだ。とりあえず、最近流行っている「ヘミングウェイで学ぶ英文法」を購入したので、精読をしつつ英語多読を進めたいと思う。

 

また「英語多読」で検索するとSEO対策されたブログでは執拗にkindleがオススメされている。確かに。kindleは紙で英語の本を買うよりも安いし、大量の本にアクセスできるので非常に便利だが、辞書が簡単にひけてしまったり、マーカーできたりと学習意欲が旺盛が人にとっては逆に毒な機能があるように思う。ここは思い切って紙で買うなり、図書館で借りるなり、ひたすら読むことに集中できる媒体の方がよいのではないか…と思っている。しかしダレンシャンが紙で買ったら2000円弱するが、kindleだと150円とか、まぁ魅力的なのはわかる…。

おわりに

スペイン語学習をしている日本人は本当に少ないし、youtubeにあがっている動画も少ない。けれども、ひとたび英語で検索すればめちゃくちゃ出てくる。何かを知りたいと思ったら英語ができないと話にならない時代になったと思う。

 

インターネットがインフラになった現代、英語さえできればアクセスできる情報がそこら中にある。今従前、所得格差が情報格差になっていたが、今は言語の取得有無が情報格差を冗長させる一助になっているな…と感じながらも自分の英語の出来なさに辟易する一方である。